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もしもし下北沢 

著  者:よしもとばなな
出版社:毎日新聞社
出版日:2006年9月25日 第1刷発行

あらすじ (もしもし下北沢 帯より)
知らない女と心中してしまったお父さん。
残された私とお母さんは、新しい人生を始めようと思い立った、下北沢で。


よしもとばななの作品は、登場人物たちのやりとによって
読者を内面の世界へと引きずり込んでいく。

内面の世界は深くて静かだ。

彼女の「みずうみ」という作品に
「みずうみは静かで、音まで吸い込まれていきそうだった。
 表面はまるで鏡のようで、風が吹くと小さなさざなみがわたっていく。」
という一文がある。

この一文は彼女自身の文章を表現してるようだと思った。
これ以降、僕の目には彼女の文章がみずうみとして映る。

よしもとばななの作品の中で「キッチン」が好きだ。
最後のシーン、カツ丼のエピソードがすごくいい。
キッチンの中では心と肉体がバランスよく半分ずつ描かれている。

作品を追うごとに彼女のみずうみは
少しづつ清涼さを増しているように感じた。
だが、きれい過ぎる水に生きものは住めない。

彼女のみずうみはさらに深いところへ入っていくし、
眼差しは清く正しいものを鋭く射抜いているけど、
彼女が闇と光をはっきりと分けるほど、
僕は辛い気持ちになってしまった。

それでも僕がこの本を手に取ったのは
タイトルに下北沢とついていたからだ。
下北沢は人が生活をしながら長い年月を掛けて、
継ぎ足し継ぎ足し作りあげた街だ。
その過程で醸成された優しさが、
雑然と全て受け入れてくれる。
その街が舞台の話なら読めるかなと思った。

「もしもし下北沢」は
下北沢という場所を舞台に
そこに集まる沢山の人たちの身体を借りた、
精神と肉体のバランスが半分ずつの物語だと思う。

キッチンの続編のような、
もしくは同じ世界の中での出来事のような感じがした。

清濁を得たよしもとばななの文章は
湖面に反射する陽光の様にキラキラと輝いている。

だが決してその光は眩しすぎる事はない。

■キッチン
■よしもとばななの本

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