スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ローマ人の物語Ⅰ~ⅩⅢ 

著  者:塩野七生
出版社:新潮社
出版日:2002年05月 第1刷発行

あらすじ
ローマの人々の諸行(単行本全15巻、文庫版40巻~続刊)
ローマ誕生(文庫版1巻)からカエサル暗殺(文庫版13巻)まで


ローマ人の物語は単行本で全15巻、
文庫版で40巻以上と長大です。

そこで全てを読み終えて感想を書くのが普通ですが、
現在進行形で読みながら何回かに分けて
感想を書いていくのも面白いのではないかと思いました。
今回は文庫版1巻~13巻までを読んだ感想です。
-----

本シリーズはヒストリア(歴史書)ではない。

ローマの誕生から滅亡までが
叙述されているのだが、
その主眼は人物と
当時のローマの生活や価値観に置かれている。

塩野七生の書く作品の魅力と特徴は
その独特の人物像の掴み方にある。

彼女の物語に登場する人物は
教科書にある歴史的観点からみた
モノクロな人物像ではなく、
生い立ちや、手紙、交友関係を元に考察された
フルカラーの人物像で描かれる。

また当時の価値観をもとに
どのような評価であったかも
詳しく書かれている。

現在の価値基準を
そのまま当てはめると
その人物の魅力や行動を
大きく誤解することになってしまうからだ。

本作はこの点から、
面白くて分かりやすい。

塩野七生はイタリア在住の
日本人小説家だ。

本書は日本人の書く外国の歴史だ。
その事も日本人である僕たちの
文化的理解を助けている。

重ねてになるが、これはヒストリアではない。
塩野七生が史料を精査し、歴史的考証も重ねて
導き出された独自の人物解釈が多々登場する。

本書に書かれている内容が
間違っているわけではないが、
歴史の勉強として読むとき
解釈が定説とされているものではない
場合があることに注意してほしい。

----この本をより面白く読むためのキーワード----
⇒塩野七生 ⇒古代ローマ
⇒ユリウス・カエサル
-------------------------------------------

■ローマ人の物語
■塩野七生の作品

⇒人気ブログランキング:本・読書ブログ
⇒にほんブログ村:書評・レビューブログ
その他の書評ブログはこちら。

スポンサーサイト

西巷説百物語 

著  者:京極夏彦
出版社:角川書店
出版日:2010年7月24日 第1刷発行

あらすじ
巷説百物語シリーズの第5弾。
関西版巷説百物語。


本書を読んでいると、
湿り気を帯びた生暖かい空気が纏わりついてくる。
耳元でハァハァと生臭い獣の息遣いが聞こえてくる。
自分の後ろに誰かの気配を感じる。
それが妖怪だ。

だが、妖怪はいないのだ。
人の世で行われる事、全て人の行いである。
しかし、人が信じるならば、妖怪はいることになる。
今あなたの後ろにいる正体不明の気配はなんであろうか。

この物語の主人公たちは、
大店の旦那、評判の鍛冶屋、村を守った庄屋など
成功者として登場する。
だが、傍から見れば果報者である彼らは疚しさを持っている。
自分自身では気づかない、あるいは見て見ぬ振りをしている
見たくないから蓋をした、心の影に妖怪は潜むのである。

心の影で泣くことになった人々の依頼を受けて、
林蔵の仕掛けは妖怪に心の蓋を開けさせる。

「林蔵はただの帖屋ではない。
 二ツ名を靄船(もやぶね)の林蔵という、小悪党である。
 (中略)
 口先三寸の嘘舟に乗せ、気づかぬうちに相手を彼岸に連れて行く――」

林蔵の仕掛けによって、現実と真実が入れ替わるとき、
気が付けば読者も京極夏彦の靄舟の上である。

■巷説百物語シリーズ
■京極夏彦の作品

⇒人気ブログランキング:本・読書ブログ
⇒にほんブログ村:書評・レビューブログ
その他の書評ブログはこちら。

天地明察 

著  者:冲方 丁
出版社:角川書店
出版日:2009年12月1日 第1刷発行

あらすじ
舞台は江戸、四代将軍家綱の時代
主人公は渋川春海。改暦に一生を掛けた数学者の物語。


遅くなりましたが今年の本屋大賞1位ということで、「天地明察」を読みました。
ずばりとても面白かった。
天文と算術と碁に奔走する主人公の時代小説と、
帯に書いてありました。
時代劇ということで読む人を絞るだろうし、
天文、算術、碁、好きな人は好きだけどとても狭い所だなぁと
どうしてこれが本屋さん大賞に選ばれたのかなと思いました。

読めばはっきり分かりました。
エピソードのひとつひとつがとても良く出来ているんです。
これきっとどんな設定でやっても面白いですよ。
すごく上手です。

主人公の春海にとても共感します。
今はそんなに悪くない。
でも、なんだか満たされない。
一生懸命になりたい。もっと本気で生きたい。
そんな気持ちから改暦に没頭していく晴海に
自分を重ねて読んでいました。

時代考証もしっかりしています。
あぁ、これは万人向けなんだなぁと腑に落ちました。

読み終わってまず、
主人公の渋川春海が実在の人物かどうかを調べました。
物語がよく出来てるので実在なのか架空なのか
内容からでは判断がつきませんでした。
そして次は作者についてです。
この方(沖方丁・うぶかたとう)の作品を読んだのがはじめてだったので
てっきり時代物専門の人かと予想していたのですが、
時代物初っぽいですね。
他の作品も読んでみたいと思います。

マルドゥック・スクランブル劇場アニメ化ですね。

■マルドゥック・スクランブル
■冲方 丁の作品

⇒人気ブログランキング:本・読書ブログ
⇒にほんブログ村:書評・レビューブログ
その他の書評ブログはこちら。

楊令伝 

著  者:北方謙三
出版社:集英社
出版日:2010年10月26日 第1刷発行

あらすじ
梁山泊炎上から三年。
各地に散った好漢たちが再び志を胸に楊令の元へ終結する。


北方・水滸伝の続編です。
昨日23日に、最終巻の15巻が発売されました。

前作の水滸伝は、
原典を元にした北方謙三のアレンジでした。
楊令伝は完全オリジナルです。
水滸伝では楊志の遺児として、
オリジナルキャラの楊令が登場します。
その楊令を主人公に、前作の登場人物の息子たちの物語です。
もちろん前作からの好漢たちも活躍をします。

北方・水滸伝の魅力はその登場人物にあります。
梁山泊軍だけで108人を超え、宋軍を加え200人以上になるだろう
登場人物達は、その一人一人の顔が映像で思い浮かぶほどに
個性的で魅力的なキャラクターを持っています。

そして、「男の死に様、すなわち如何に生きるか」
がテーマの北方謙三の作品です。
その登場人物達が次々に戦いに散っていきます。

楊令伝も読み始めたときから
夢破れる儚さを予想していました。
それでも、その魅力溢れる人物たちの活躍に興奮し、
散りゆく姿に寂しさを感じながら
ページをめくる手を止める事ができません。

15巻を心待ちにしていましたが、
手にとった瞬間から胸の詰まる思いでした。
楊令はどう生ききるのか。

この結末にやはりと思いましたが、
それでもまさかという終わりが待っていました。

水滸伝の魅力は登場する人物たちです。
どんな結末であろうと生き様をみれて良かった。

■水滸伝
■北方謙三の作品

⇒人気ブログランキング:本・読書ブログ
⇒にほんブログ村:書評・レビューブログ
その他の書評ブログはこちら。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。